Research/SOA

バーチャルエージェントを用いたアプリケーション開発

背景

擬人化されたキャラクタとの対話をユーザインタフェース(UI)に適用した,バーチャルエージェントユーザインタフェース(VAUI)は,ユーザビリティの高いUIとして注目されています.

さらに,VAUIは,その親近感や現実感から,他のUIに比べて直感的で理解しやすいという特徴があります.

あらゆるシステムが,VAUIによりエージェントとの対話で操作できれば,ユーザにとって使いやすいシステムになると考えられます.

目的とアプローチ

しかし,現在使用されている多くのVAUIは決められた専用のシステムでしか動作しないため,拡張性や汎用性に欠けるといった問題点があります.

そこで,本研究では,サービス指向アーキテクチャの考えに基づいたVAUIを新たに開発します.

具体的には,エージェントの発話・動作機能とインタラクション構成機能の2つの機能を分割し,それぞれをサービスとして実装しました.

新たに開発したVAUIでは,他の様々な機能やサービスと連携でき,拡張性や汎用性が向上しました.

VAUI.png

VAUIの応用

また,開発したVAUIを用いて2つのシステムを実装しました.

HNS-VAUI 対話型家電操作インタフェース

近年,宅内に配置された家電やセンサをネットワークに接続し付加価値の高いサービスを実現する枠組みとして,ホームネットワークシステム(HNS)が盛んに研究・開発されています.

HNSでは日常的に使うという特性上,ユーザにとって学習コストが低く操作しやすい,かつ簡単で便利であるユーザフレンドリなUIがより強く求められている.

そこで,HNSのUIとしてVAUIを適用したHNS-VAUIを実装しました.

TV.jpg

記憶補助エージェント 認知症者の生活・記憶支援システム

高齢者数の増加に伴い,高齢者のうち認知症を発症している認知症高齢者の数も増加の傾向にあり,現在280万人である認知症高齢者の人口は,2025年に470万人になると推計されています.

そのため,高齢者のための認知症予防法や認知症高齢者の支援が必要とされています.

そこで,VAUIを用いた生活・記憶支援システムである記憶補助エージェントを開発しました.

記憶補助エージェントには,以下の2つの利点があります.

1. 自律的に動作するので,介護者の負担を減らすことができる

2. 認知症者がエージェントに親近感を抱き,ケアの負担を減らすことができる

また,実験として,開発した記憶補助エージェントを実際に認知症者患者の方に使用していただき,評価を行いました.

MMA.JPG

発表文献

論文誌

  • [1] Hiroyasu Horiuchi, Sachio Saiki, Shinsuke Matsumoto, and Masahide Nakamura, ``Virtual Agent as a User Interface for Home Network System,'' International Journal of Software Innovation, vol.3, no.2, pp.24-34, April 2015.

国際会議

  • [1] Seiki Tokunaga, Hiroyasu Horiuchi, Sachio Saiki, Shinsuke Matsumoto, Masahide Nakamura, and Kiyoshi Yasuda, ``Design of Memory Aids Agent Service Based Location and Time for People with Dementia,'' In The 2015 Alzheimer's Disease Congress (Alz2015), June 2015. (London, UK)
  • [2] Hiroyasu Horiuchi, Kouhei Takahashi, Seiki Tokunaga, Sachio Saiki, Shinsuke Matsumoto, and Masahide Nakamura, ``Extension of Hns-Vaui for Personal Adaptation from Human-Sensed Data,'' In 9th International Forum on Multimedia and Image Processing (IFMIP2014), pp.219-224, August 2014. (Kona, USA)
  • [3] Hiroyasu Horiuchi, Sachio Saiki, Shinsuke Matsumoto, and Masahide Nakamura, ``Designing and Implementing Service Framework for Virtual Agents in Home Network System,'' In 2014 15th IEEE/ACIS International Conference on oftware Engineering, Artificial Intelligence, Networking and Parallel/Distributed Computing (SNPD2014), pp.343-348, June 2014. (Las Vegas, USA)

研究会・全国大会など

  • [1] 堀内大祥, 徳永清輝, まつ本真佑, 佐伯幸郎, 中村匡秀, 安田 清, ``認知症高齢者の記憶補助のための対話型エージェントシステムの評価,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.115, no.437, ASN2015-92, pp.75-80, January 2016.
  • [2] 堀内大祥, 徳永清輝, まつ本真佑, 佐伯幸郎, 中村匡秀, 安田清, ``認知症高齢者のための記憶補助エージェントの提案,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.114, no.500, LOIS2014-61-LOIS2014-95, pp.179-184, March 2015.
  • [3] 堀内 大祥, 佐伯 幸郎, まつ本 真佑, 中村 匡秀, ``ホームネットワークシステムにおけるエージェントを用いた対話型インタフェースフレームワークの開発,'' 電子情報通信学会技術報告, vol.113, no.432, CNR2013-40, pp.61-66, February 2014.
  • [4] 堀内 大祥, 佐伯 幸郎, まつ本 真佑, 中村 匡秀, ``ホームネットワークシステムにおけるバーチャルエージェントのためのサービスフレームワーク,'' 電子情報通信学会技術報告, vol.113, no.326, LOIS2013-38, pp.83-88, November 2013.

トップ   編集 凍結 差分 履歴 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2024-02-14 (水) 11:29:47