Research/高齢者向け見守りサービスに関する研究†背景†家電やセンサを家庭内のネットワークに接続することで,多種多様なサービスを 提供するホームネットワークシステム(HNS)に注目が集まっています. HNSでは,宅内に設置されたテレビやエアコン,扇風機などの家電機器,および 温度計や湿度計などのセンサ機器をネットワークに接続することで, 複数機器の連携制御や,状況に応じたコンテキストアウェアサービス等の 付加価値サービス(以降,HNSサービスと呼ぶ)を提供することが出来ます。 最近では,HNSを利用したアプリケーションが市場に登場しています.例えば,宅内のエネルギーの最適化を目指すHEMS(House EnergyManagementSystem)に対して政府が補助金を出すなど,新しい産業として期待されています. 課題†これまで長期にわたって研究開発が進められてきたHNSですが,一般家庭への 幅広い普及には至っていません. その要因の一つとして,現状のHNSでは,HNSの構成要素(家電機器やセンサ,ホームサーバ,通信プロトコルなど)と,ベンダが提供するHNSサービスとが 密結合していることが考えられます. この密結合のため,単一宅内において複数のベンダが提供するHNSサービスを同時に利用することは容易ではありません. HNS環境を制御するホームサーバを複数設置することで,マルチベンダHNS環境を実現することも可能ではあります. しかしながら,この方法は導入コストが高く,また異なるベンダのHNSサービス間で特定の家電機器を共有することもできません. これらの問題により,ユーザは購入家電の選択肢が限られるだけでなく,利用するHNSサービスの選択肢も限られています. その結果,HNSの導入が進まない状況に陥っています. 目的とアプローチ†本研究の目的は、ユーザが柔軟にマルチベンダのHNSサービスを利用できる枠組みの提供です。 そのためのアプローチとして、クラウド技術を利用して機器とサービスを分離した新たなHNSの形態であるクラウド型HNSを提案しています。 クラウド型HNSでは,ホームサーバが実行していたHNSサービスの様々な機能(家電制御やセンサ値の取得,ログデータの管理など)を 全てサービスとして抽象化し,クラウド上に集約します. この集約により,HNS構成要素とベンダ提供のサービスとの間の密結合を解消し,宅内でのマルチベンダHNS環境が実現出来ます. 研究概要スライド†発表文献†
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