*異なるライフログを集約するための標準データモデル [#p1f4c75e] ** 背景 [#b0dcf705] 人間の日常生活における行動をデジタルデータとして記録する ''ライフログ''が注目を集めています.インターネット上には多種多様なアプ リケーション・サービスが登場し,様々な種類のライフログをWeb上で 手軽に記録・共有できるようになってきています. 例えば,以下のようなものがあります. - [[Twitter:http://twitter.com/]]: 日々のつぶやきを記録する. - [[Flickr:http://www.flickr.com]]: デジカメ写真を整理,共有する. - [[FoodLog:http://foodlog.jp]]: 三度の食事の写真を記録.食事日記や栄養分析をする. - [[からだログ:http://karada.goo.ne.jp]]: 体や運動のデータを記録し,健康管理に役立てる. - [[ケータイdeライフログ:http://www.ubila.org/lifelog/index.html]]: 携帯電話で写真やバーコード,GPS情報等を記録する. - [[ねむログ:http://www.nemulog.jp]]: 睡眠時間や夢を記録する. ** ライフログのマッシュアップ [#h8f4455d] 現在,こうしたライフログ・サービスでは,ライフログの「記録」と「活用」が ひとつのサービス内に閉じた形で行われており,様々なログがネットワーク上で ばらばらに存在しています.これらばらばらに記録されたライフ ログを,集約・連携することで,より付加価値の高い情報・サービスへと 発展させることが期待できます. われわれはこれをライフログの''マッシュアップ''と呼んでいます. 現在,様々なライフログサービスがデータアクセスAPIやブログパーツを 公開しており,ライフログのマッシュアップアプリケーションの開発が 可能になってきています. ** 課題 [#h2b40b7c] しかしながら,ライフログサービスが提供するAPIやライフログの データ構造には統一的な標準が無く,サービスごとにばらばらです. したがって,マッシュアップの開発においては,連携するライフ ログ・アプリケーションの組み合わせごとに異なるプログラムロジック が必要となります. 例えば,似たようなライフログ検索を行いたくても,ア プリケーションが違えば全く異なる手段で呼び出さなければなりません. このことは,マッシュアップの開発効率(生産性)を低下させます. また,API仕様の改訂に伴って,プログラムの見直しが必要となり, 再利用性や信頼性を下げる要因にもなっています. ** 研究の目的とアプローチ [#g7c802e1] そこで本研究では,ライフログの効率的なマッシュアップを支援するため, ライフログのための''標準的なデータモデル''を提案します(下図). &ref(./cdm_architecture.png,70%); 各ライフログ・サービスのションのデータは,何らかの形で, アプリケーションに強く依存しない標準的なデータモデル (Common Data Model)に変換されます.この標準データモデルの上 では汎用的なAPI(Generic APIs)が定義され,マッシュアッ プ・アプリケーションはこれら汎用APIを用いて開発されます. ライフログへのアクセス手段がアプリケーションに強依存しなくなるため, 上記の課題が解決できます. ** ライフログのための標準データモデル [#d556fc70] 標準データモデルの構築においては, ライフログに必要なデータ項目を5W1Hの観点から分析を行いました. これらのデータ項目を,アプリケーションに独立なものと依存するものに 分類,アプリケーションに中立な論理データモデルを構築しました. &ref(./cdm_schema.png,70%); &ref(./lifelog_eval.png,70%); ** 発表文献 [#jbfadbb4] - 中村 匡秀, 下條 彰, 井垣 宏, ``異なるライフログを集約するための標準データモデルの考察,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.109, no.272, pp.35-40, November 2009. [[[PDF]>http://ws.cs.kobe-u.ac.jp/achieve/pdf/1046.pdf]] - 中村 匡秀, 下條 彰, 井垣 宏, ``異なるライフログを集約するための標準データモデルの考察,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.109, no.272, pp.35-40, November 2009. [[[PDF]>http://www27.cs.kobe-u.ac.jp/achieve/data/pdf/1046.pdf]] [[[< 戻る]>../]]