現在我が国は超高齢社会に直面しています.内閣府発行の高齢社会白書によると,日本の高齢化率は年々上昇を続け,2019年には28.4%にも及んでいます.何らかの病気や怪我などで,日常生活への影響を訴える高齢者も増えており,中でも認知症を持つ高齢者の増加は著しいのが現状です. 高齢社会白書では,65歳以上の認知症を有する高齢者数と有病率の将来推計を行っています.これによると2025年には約700万人が何等かの病気を抱えていることになり,五人に一人になると見込まれています.認知症予備軍とされる軽度認知障害を含めると1300万人を超えて,高齢者の三人に一人が認知機能障害に罹るとされています.これにより,介護人材や介護施設といったリソースの不足が一層深刻化する中で,政府はリソースの増加ではなく在宅介護への転換を促すことで対応しようとしています.