個人適応ケアのためのイベントログ蓄積機構の履歴(No.1)

エージェントによる「こころ」センシングを活用した物忘れ支援サービス†

現在，日本は超高齢化社会に直面し，様々な社会的な課題が懸念されています．

そうした背景から，我々の研究グループではバーチャルエージェント(VA)，IoTやクラウド技術を用いた様々な高齢者支援サービスを開発しています．

これらのサービスでは様々なデータソースからユーザの状態，状況に関する情報(ユーザコンテキスト)を取得して活用しています．

しかし現状ではフォーマットの相違などにより，あるサービスのユーザコンテキストを別のサービスで再利用することが困難でした．

そこで本研究ではケアに特化した形でユーザコンテキストを集約し，他のサービスからの多様な問い合わせに応じてコンテキストを提供できるサービスを開発しました．

ユーザコンテキストを管理するための共通データベースであるLog4Careを構築しました．

Log4Careはケアの対象となる各個人が置かれている状況，状態を網羅するデータスキーマを持っています．

また，Log4Careに蓄積されたログを外部のアプリケーションから取得するためにCare--APIを配備しました．

様々なサービスが相互にユーザコンテキストを取得するためや，実際の介護者が患者の状態を確認するためといった多岐にわたる用途に利用されることを想定しています．

前田晴久, 佐伯幸郎, 中村匡秀, 安田清, ``個人適応ケアのためのログ蓄積機構の提案と実装,'' 電子情報通信学会技術報告書, vol.LOIS2017-85, pp.81-86, March 2018. (沖縄・那覇市IT創造館)