SpringBoot

Spring Boot における各レイヤの責務

2020-05-18 中村

Spring Boot (Spring MVC)における各レイヤの責務をまとめる

Entity, DTO, Form の役割も書いておく

概要

Spring Bootにおける各レイヤのコンポーネント (@Controller, @Service, @Repository) を設計・実装する際に,「この処理はどのコンポーネントで実装すべきなのか?」 と迷うことがある.

NTTデータが出しているSpring MVCの詳細なプラクティス TeraSoluna を参考にその 設計基準をまとめてみる.

Springのレイヤード・アーキテクチャ

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@View 層

ユーザに対して,Webアプリケーションを操作するユーザインタフェースを提供する.

Webアプリの場合,一般にHTMLで実装されるが以下の2パターンの実装がある:

  1. クライアント側でViewを生成するパターン(HTML5+JavaScript)
  2. サーバ側でViewを生成するパターン(Thymeleaf)

我々の研究室では,クライアント側で作るほうを推奨している. これは,アプリの機能をマイクロサービス(Web-API)として,HTML以外からも 呼び出したいため.

主な仕事

@Controller層

リクエストを受け取り処理を実行するメソッドを@View層に提供する.

リクエスト→メソッドのマッピングや入力データチェック(バリデーション),フォームやDTOとEntityの相互変換などを行う.

Controller層の役割は業務ロジック(サービス)を利用するために必要な 前処理・後処理を行うことであり,業務ロジックそのものに関連する 処理を行ってはならない.

主な仕事

@Service層

アプリケーション固有の業務ロジックを実行するメソッドを@Controller層に提供する.

業務ロジックは,ビジネスルールの実行,および,それに伴う業務データの参照,更新, ビジネスルールのチェックなどで構成される.

Service層の役割は,ビジネスルールに関わる処理に専念することとし, 業務データ(Entity)のDBへの出し入れはRepositoryに委譲する.

主な仕事

参考:ControllerとServiceで実装するロジックの責任分界点について

Terasoluna より

本ガイドラインでは、ControllerとServiceで実装するロジックは、以下のルールに則って実装することを推奨する。

  1. クライアントからリクエストされたデータに対する単項目チェック、相関項目チェックはController側(Bean ValidationまたはSpring Validator)で行う。
  2. Serviceに渡すデータへの変換処理(Bean変換、型変換、形式変換など)は、ServiceではなくController側で行う。
  3. ビジネスルールに関わる処理はServiceで行う。業務データへのアクセスは、RepositoryまたはO/R Mapperに委譲する。
  4. ServiceからControllerに返却するデータ(クライアントへレスポンスするデータ)に対する値の変換処理(型変換、形式変換など)は、Serviceではなく、Controller側(Viewクラスなど)で行う。

@Repository層

業務データ(Entity)のCRUDを行うメソッドを@Service層に提供する.

Java Beans (POJO)で保持されたEntityを,DBに入れて永続化するが, 具体的なDB操作の詳細はService層からは隠ぺいされる.(DAOのようなもの)

Repository層の役割は,(1) Entityのライフサイクル(CRUD)を制御する 操作インタフェースを提供することと,(2) Entityiの永続化を行う処理の実装を提供することである.

Springの場合,CrudRepository等の出来合いのコンポーネントが用意されているので, 自力で頑張って(1)や(2)を実装することはない.

主な仕事

DTO, Form, Entityの区別

参考文献


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