* SOAシステム構築のための既存システムの再利用性評価 [#c87d16a1]

** レガシーシステムのSOA化 [#y081a534]

ビジネス環境の変化に合わせて企業の業務システムを迅速
かつ柔軟に対応させることが求められている.しかし,長年運
用・保守され続けている既存システム(レガシーシステム)は,
他のシステムとの相互運用性やデータの共有などが考慮されて
いない.このようなシステムでは,業務手順(ビジネスプロセ
ス)が変わる度に,システムを大幅に修正する必要があり,保
守コストが膨大になってしまう.
この問題を解決する手段として,サービス指向アーキテクチ
ャ(SOA)[5]が注目されている.SOA は,システムを「サービ
ス」という機能単位の集合として設計する手法である.各「サ
ービス」は,システムのプラットフォームや内部実装に非依存
で,共通のインターフェースを通じて疎結合され,高度なサー
ビスは既存サービスの組み合わせによって実現される.そのた
め,サービスの組み替えや追加によって,ビジネスプロセスの
変化に対応して,業務システムを迅速かつ柔軟に変更させるこ
とができる.SOA のそうした利点から,レガシーシステムを
SOA 化することに関心が集まっている.

** 再利用するべきか新規構築か? [#i88bc4da]

レガシーシステムを
SOA 化する場合,既存システムを最大限再利用し,できるだけ
開発コストを節約したいというニーズがある.しかし,レガシ
ーシステムは長年の運用・保守の過程で変更が繰り返され,保
守性が大きく低下していることが多い[7].そのため既存システ
ムから業務機能単位でサービスを切り出すことが難しい.その
ような状況の下,経営者は既存システムを再利用すべきか,新
しくシステムを構築すべきかを意思決定する必要がある.しか
し,現状では,既存システムのSOA 化しやすさを評価する尺
度が存在せず,その判断を行うことが難しい.
そこで,本稿では,この判断を支援するために,レガシーシ
ステムをSOA 化する場合の再利用性を性質付ける新たなメト
リクスとそのメトリクスの計測手法を提案する.
具体的には,まずビジネスプロセスを一般的なSOA 設計に
基づいてトップダウンに分析し,現行で必要な業務機能を,サ



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