暗黙的なユーザ要求を抽出・推定するホームネットワークのための対話型音声インターフェース

背景

多様なネットワーク家電やセンサ機器が数多く接続されているホームネットワークシステム(HNS)では,従来の家電で用いられてきた専用リモコンに代わる,新しい操作法が求められています.音声による機器制御を実現する音声インターフェースはその中の一つです.特に混合主導型音声対話システムは,ユーザの学習コスト削減などのメリットから,今後の普及が期待されています.

混合主導型対話システムの問題点

HNSに混合主導型対話システムを適用する際には,

  1. 「暑い」「暗い」「うるさい」などといったユーザの暗黙的な要求を操作へ反映できない
  2. 複雑な対話パターンの実装を必要とするため,開発コストが増大する
  3. 実行可能な機器操作やパラメータが多ければ,それだけ音声インターフェースからのフィードバックの無駄が多くなり長大化する

といった問題点があります.

目的とアプローチ

上記の問題点を解消するために,ユーザの発話内容や家電・環境の状態からユーザの暗黙的な要求を抽出・推定し,家電機器を操作する対話型音声インターフェースを提案します.
提案法では,ユーザの暗黙的な要求を抽出・推定することができる暗黙的なユーザ要求抽出・推定機構を導入しました.
さらに,複雑な対話パターンを必要とする混合主導型対話機構の実装において,テンプレートメソッドパターンを用いることで,開発コストの増大を抑制しました.
そして,操作対象の家電が現状態で実行可能な操作のみをシステムがフィードバックする,家電状態を利用したコマンド提示機構を採用しています.これにより,無駄なフィードバックを削減し長大化を防止しました.

対話による暗黙的なユーザ要求抽出・推定

発表文献

松原 典行, 江上 公一, 井垣 宏, 中村 匡秀, ``暗黙的なユーザ要求を抽出・推定するホームネットワークのための対話型音声インターフェース,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.109, no.450, pp.061-066 , March 2010. [PDF]

[< 戻る]


トップ   新規 一覧 検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS