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異種分散Webサービスに基づくコンテキストアウェアサービス

背景

近年,様々な計算資源をネットワーク上のサービスとして利用するクラウド技術や,機器同士が人間の介在なしに通信し動作するM2M技術が発展してきています.これによって,現実世界に関する多種多様なデータをWebサービスやWeb-API経由で取得することが技術的に可能になってきています.現実世界のデータの例として,ホームネットワークシステム(HNS)を利用した気温や湿度,人の存在,家電の状態といった宅内情報や,スマートシティにおける地域の電力消費量や交通量といったものが挙げられます.

これらのデータから現実世界の状況(コンテキスト)を判断し,自律的な制御を行うコンテキストアウェアサービスが実現可能です.コンテキストアウェアサービスは,環境の変化や人間の行動に対して,自律的に適切な動作を行うため,リクエスト・レスポンス型の従来サービスよりも「気の利いた」サービスが実現できます.

課題

クラウドコンピューティングやM2Mの分野では,異種分散Webサービス経由で多種多様なデータ(センサ値,情報システム,家電の状態など)を大域的に利用できるため,これらを入力として用いれば,高度なコンテキストアウェアサービスが期待できます.また,コンテキストに応じたアクション(コンテキストアウェアサービスの出力)として,Webサービスを呼び出すことで,デバイスに限らず様々なサービスやシステムを活用したコンテキストアウェアサービスが可能となります.

しかしながら,コンテキストの定義に用いるデータ,コンテキストの評価,コンテキストに起因した動作,これらの間の複雑な関係性を管理する体系的な手法が提案されていないという課題があります.

目的とアプローチ

本研究の目的は,異種分散Webサービスに基づくコンテキストアウェアサービスを,体系的に作成・管理するための手法の提供です.

そのためのアプローチとして,異種分散Web サービスを利用したコンテキストアウェアサービスを,体系的に作成・管理するためのフレームワーク(RuCAS, Rule-based management framework for Context-Aware Service)を提案しています. RuCASでは,コンテキストアウェアサービスを(イベント,コンディション,アクション)の組であるECA規則で定義します. ここで,イベントはサービスの実行契機となるコンテキストの成立,コンディションはサービスの実行可能条件,アクションは制御に相当するWebサービスです. (ECArule, architecture)

また,提案フレームワークの機能をWebサービスとして利用できる実行基盤RuCAS Platformを開発しました. (クラス図?)

発表文献


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