*エンドユーザのためのセンサ駆動サービス構築支援環境 [#v7c575f3]
[[Research/HNS]]

**背景 [#wf1b1c68]
**背景 [#eea04b05]
宅内の各種センサを含む多様な家電機器をホームネットワークに接続し,多種多様なサービスを提供するホームネットワークシステム(HNS)の研究・開発が進みつつあります.
ネットワークに接続されたテレビやエアコン,扇風機,照明機器,温度計,照度計等の機器(ネット家電)を使用することで,これらの遠隔制御や宅内監視,複数機器の連携制御といった付加価値の高いサービスが実際に開発されています.
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HNSの普及によって人々の生活がより便利で快適なものに進歩していく一方で、家庭における家電等の消費電力は近年増加の一途を辿っており、エネルギーの節約・省エネは大きな課題の一つとなっていま**す.それを解決するため国や企業・または個人により,様々な取り組みが行われています.~
本研究では,HNSにおける様々な家電機器操作をより省エネな機器サービスに変換するための一構築手法を提案します.

近年,プロセッサ,ストレージやネットワーク技術の普及に伴い,家庭内のネット家電をもとに多様なサービスを提供するホームネットワークシステム(HNS)の開発が進みつつあります.HNSでは,ホームネットワークに接続された各種ネット家電がその機能を利用するためのAPIを公開しており,それらのAPIを組み合わせることで新たな付加価値を生み出すことができます.
 その中でも特に注目されているのがセンサと家電を組み合わせて実現されるセンサ駆動サービスです.一般にセンサ駆動サービスは,利用するセンサとセンサによって検知される環境プロパティに関するコンテキスト条件,その条件が満たされたときに駆動される振る舞いから構成されています.現在提供されているセンサ駆動サービスの多くは,利用されるセンサと機器の組み合わせやコンテキスト条件が固定されています.そのため,ユーザーを取り巻く家電構成や部屋の状況の変化に即してセンサ駆動サービスの内容を変更することは困難でした.
 そこで個々のセンサをサービスとして独立させ,任意のコンテキスト条件や振る舞いを開発者がその都度登録可能なセンササービス基盤を開発しました.センササービスを利用することで,センサやコンテキスト条件,駆動される振る舞いそれぞれを変更することが可能になり,センサ駆動サービスを容易に構築することが可能になりました.
**既存の省エネ手法の分類 [#nc514f46]
本研究ではまず,国や企業から提案・発表されている様々な省エネ手法を,以下の3つのパターンに分類します.

**エンドユーザによるセンサ駆動サービス構築の問題点 [#gb1f35ee]
***ECO1.ユーザーの我慢・妥協 [#m217951e]
「暖房は20℃推奨」や「冷房は28℃推奨」といった,ユーザーがある程度我慢・妥協することにより消費電力を削減・省エネを行う手法を指します.
***ECO2.不必要な利用の削減 [#a3fa8cbc]
「外が明るい時はライトを消しカーテンをつける」や「外出時の消し忘れをなくす」と
いった,機器使用の際にムダだと思われる部分を削減することにより省エネを行う手法を指します.
***ECO3.利用効率の改善 [#ee867953]
「暖房時は扇風機を併用し,部屋の空気をかき混ぜる」や「エアコンのフィルタはこまめに掃除する」といった,何らかの工夫をすることにより機器の利用効率を挙げることで省エネを行う手法を指します.

センササービスを利用することで,非常に容易にセンサ駆動サービスを開発できるようになりました.しかし,HNSを利用する一般的なエンドユーザーにとっては,ユーザーの意図する条件式を考え,駆動される振る舞いとして家電APIを指定しなければならないセンサ駆動サービス構築は,依然として困難であるといえます.
以上の3つパターンをさらに「単独機器による省エネ」と「複数機器による省エネ」の2つ分類します.~
今研究では,分類した省エネ手法のうち「複数機器による省エネ」に焦点を置きます.この複数機器による省エネは「省エネ度の高い代替機器使用による省エネ」と「機器効率を上げる併用機器使用による省エネ」の2つに集約できます.

**提案手法 [#y8847f26]
**環境相互作用の導入 [#z8a4159e]
**発表文献 [#pcf2bc48]
岡村雄敬,井垣 宏,中村 匡秀, ``ホームネットワークシステムにおける環境相互作用を利用した省エネ機器連携サービスの一構築手法,'' 電子情報通信学会 OIS研究会, vol.OIS2008, pp.013-018, March 2009.

そこで本研究では,エンドユーザーでも簡単にセンサ駆動サービスの構築が行えるように,センサ駆動サービス構築支援GUI「Sensor Service Binder」を開発しました.「Sensor Service Binder」を利用したセンサ駆動サービス構築は以下の3つのPhaseにわけて行います.~

''Phase1:コンテキスト条件登録''~
Phase1では,センササービスの選択とコンテキスト条件の登録を行います.登録される条件はこれまでと同様にセンササービスが検知可能な環境プロパティの条件式として記述します.このとき,登録された条件式が意図する状態を平易なキーワードを用いて同時に登録します.~

''Phase2:家電API登録''~
Phase2では,センサがコンテキスト条件を感知したときに呼び出す家電API候補の登録を行います.ここでもPhase1と同様に,登録する家電APIが何を行うものなのかを表すキーワードを入力します.~

これらPhase1, 2は今までと同様に,センササービスおよび家電APIに関する専門知識を持ったユーザーが行います.~

''Phase3:コンテキスト条件-家電API関連づけ''
Phase1, 2が事前に行っていれば,そこで登録されたコンテキスト条件や家電APIの関連づけを行います.このとき,登録されたコンテキスト条件と家電APIはそれぞれ,平易なキーワードで説明されています.エンドユーザーはそれらのキーワードをみて,自分の構築したいセンサ駆動サービスを簡単に作ることができます.

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**発表文献 [#vfa5dde9]
松尾 周平, 井垣 宏, 中村 匡秀, ``エンドユーザーによるセンサー駆動サービスの構築支援環境の提案,'' 電子情報通信学会 OIS研究会, vol.OIS2008, no.82, pp.043-048, March 2009.


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