Research/SmartCity

群衆知を活用した災害時の避難促進アプリケーションの研究開発

背景

2018年は我が国において災害が多発する年でした.
しかし,日本においてこのように災害が多発したのは2018年だけでなく,毎年災害による死者・行方不明者が生じています.
その中で,逃げ遅れによって災害の被害にあう人々が一定数存在しており,このような逃げ遅れは自らの命を危険に晒すだけでなく,被災者全体の救助を遅らせてしまう要因の一つにもなり得ます.
このことから,我が国が災害大国であることを理解し,災害時に各住民が適切な避難行動をとることが非常に重要です.

課題

災害時に住民に対して避難を促す手段自体は既に存在しており,TV,ラジオ,緊急速報メール,SNSなど様々です.
しかし,住んでいる地域や状況がそれぞれ異なる個人に対して避難意識を高めるという観点を考えると,従来の避難勧告の方法には以下の4つの課題が残っています.

1. 従来のメディアはミクロな災害状況を配信できない:
TV放送や気象庁の情報は主に地域全体のマクロな災害状況を配信していますが,個人に応じたミクロな災害状況を配信するには情報収集のための人手や装置に限界があります.

2. 様々な粒度の災害情報を視覚的に,一元的に把握する手段がない:
地域ごとのミクロな災害状況を取り扱った媒体がないため,TV放送や気象庁が配信するようなマクロな情報と併せて視覚的に把握することは現段階ではできていません.

3. 避難意識の低い住人が避難の重要性を認識できない:
現在地周辺にどのような被害がでている,またはでることが予想されると把握できず,それに伴う警戒情報の危険性も認識できていないことがあります.

4. 避難意識の低い住人が適切な避難経路を判断できない:
避難場所の位置を事前に確認しておらず,ハザードマップ等を通して災害時の通行が非推奨である経路を把握していない.

目的とアプローチ

本研究では,災害区域の人々に周辺の災害状況を把握させ,避難意識を高めることで適切な避難行動を促すアプリケーションCANDLE (Crowd Assisted Navigation for Disaster Localization and Evacuation)を開発し,以下に示す4つのアプローチをとります.

1. 群衆が災害状況を収集する:
メディア等で収集することが困難な全国にわたる局所的災害情報の取得が可能になります.

2. 災害情報を地図上で可視化・共有する:
ユーザ全員が参照可能な地図に災害情報を可視化することで周辺状況を視覚的に把握しやすくします.

3. 現在地に対応した避難行動を提案する:
個々人に応じた避難行動の指示,提案を行うことで当事者性が増し,適切な避難行動に繋がります.

4. 現在地に対応した避難経路の誘導を行う:
周辺の災害状況を考慮した避難経路を提示することでユーザが適切な避難所へ安全に避難できます.

提案したCANDLEの一部機能をWebアプリケーションとして試作しました.
CANDLEによって災害時におけるユーザ個人に応じた周辺状況が理解しやすくなり,災害の危険性を把握できます.

CANDLE_1.jpeg CANDLE_2.jpeg


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Last-modified: 2019-03-18 (月) 16:15:12 (34d)