ホームネットワークにおける住宅ログを活用したコンテキストアウェアサービス

背景

ICT技術の発展や各種センサの小型化,家電機器の性能向上に伴い, その場その時の状況に合わせて機器を自律的に制御するコンテキストアウェアサービスの研究が盛んに行われるようになりました. コンテキストとは,ユーザや機器などの現在の状況に対して意味付けされた「状況に関する情報」のことです. 例えば温度センサが読み取った「室温が19度以下」という状況に対しては「寒い」というコンテキストは紐付けられます. 他にも赤外線センサを利用する「人が通過した」コンテキストや,音量センサを利用する「騒がしい」コンテキストなど,いろいろなコンテキストを考えることができます. こういったコンテキストを利用して,機器を自律的に制御するサービスが「コンテキストアウェアサービス」と呼ばれます. 現在では市販製品として人感センサ付きライトや,湿度センサを用いた自動制御機能付き加湿器など, コンテキストアウェアサービスが組み込まれた家電製品も数多く登場しています.

私達が提案しているフレームワークでは,コンテキストを単純な用いた条件式として表現しています. 例えば「寒い」コンテキストは,【現在の室温 < 19 → 寒い】というような条件式で表現されます. 以降では,この条件式のことを「コンテキスト成立条件式」と呼びます.

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課題

現在のコンテキストアウェアサービス研究の多くは,コンテキスト成立条件式の表現方法に制約があります. そのため,定義可能なコンテキストの種類には限界があります. 前述のコンテキスト成立条件式は【[現在の状態] 比較演算子 [定義された値] → [コンテキスト成立]】のように抽象化することができます. つまり,コンテキスト成立条件式は,ある瞬間のセンサ値と定義された値との比較演算だけで構成されているということです. コンテキスト同士を組み合わせることで,より高度な複合コンテキストを定義することもできますが,ある瞬間の値だけを用いていることに変わりはありません. そのため「昨日と比べて寒い」,「室温が下がってきた」,「冷蔵庫が開けっ放し」といった過去の情報を利用したコンテキストを表現することはできないのです.

キーアイディア

そこで私達は,コンテキスト成立条件式に様々な過去のログ,特に住宅ログを利用することを考えました. 住宅ログとは,HNSを利用することで住宅内で取得できる,様々なログ情報のことです. 住宅ログを利用することで,現在の状況のみならず,過去の様々な情報を考慮したより高度なコンテキストを表現できるようになります. 例えば「昨日と比べて寒い」コンテキストは,温度センサのログを利用し,1日前の同時刻の温度と現在の温度を比較することで実現できます. 他にも以下の様な様々なコンテキストを定義できると考えられます.

  • 室温が上がってきた/下がってきたコンテキスト
  • 洗濯日和コンテキスト
  • お気に入りのTV番組の時間コンテキスト
  • 過労コンテキスト
  • 個人適応型寒い/暑いコンテキスト

コンテキストの表現能力が向上すれば,コンテキストを利用するコンテキストアウェアサービスもより便利なものになるでしょう.

log_context_aware_aircon.png

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Last-modified: 2014-03-05 (水) 14:18:57 (1782d)