Research/SmartHealth

在宅認知症者の日常カウンセリングシステムのための個人向け話題生成

背景

日本は高齢化に伴い,認知症患者の数も増えています. このような背景のもと認知症高齢者のための予防法やケア,支援が必要とされてます. 認知症の症状には行動・心理症状(BPSD)があります. 症状の種類は被害妄想・徘徊・錯乱・暴言といったものがあり,その人の性格・環境によって様々です. 症状の緩和には認知症患者との継続的なケアが必要です.

課題

日本では介護施設や介護人材が不十分です. そのため政府の取り組みとして在宅ケアの支援に注力しています. しかし,ケア提供者の負担が問題となっています. ケアの提供に膨大な手間と労力がかかってしまったりと,人による対応では時間的・体力的に難しい場合があります. また,症状が様々であるので患者に寄り添った画一的でない対応が必要となっています.

目的とアプローチ

私たちの最終的な目的は,在宅で日常的に認知症カウンセリングを実施できるシステムを開発することです. 本研究では特に,認知症者個人に寄り添った話題を, 人手をかけずに動的に生成する方法を提案します. 具体的には,次の3つのアプローチに従って個人向けの話題を生成します.

A1:センター方式を活用した生活史の抽出''

生活史とは本人の出身,家族構成,学校,仕事,思い出,趣味などの情報です.認知症の患者は最近の時事的な話題は忘れてしまう傾向にあるので,昔からの本人の情報を用いて会話を行います.

A2:LODを用いた話題の発展

LOD(LinkedOpenData)とは,情報を機械でも理解できるような形式でWebに公開する技術です.これを用いることにより,例えば,出身の都道府県の情報から関連する名産品の情報を機械が自動で取得できます.

A3:生活史とLODを活用した個人向け話題の生成

認知症の患者との会話の流れを規定した対話テンプレートをあらかじめ準備しておきます. ケアの実行時に,システムを使うユーザに応じて必要な情報を,生活史のデータベースとLODから取得します. 取得した情報を対話テンプレートに流し込むことで個人向けの話題を自動的に生成します.

サービスのアーキテクチャ

サービス全体のアーキテクチャは次の図のようになります.
全体アーキテクチャ
A1からA3の機能を実現する部分をバーチャルカウンセラーと呼びます.
バーチャルカウンセラーにより自動的に生成された個人向け話題を,先行研究のバーチャルエージェントを通して認知症患者に提供します.

発表文献

榊原 誠司, 佐伯 幸郎, 中村 匡秀, 安田 清, ``在宅認知症者の日常カウンセリングシステムのための個人向け話題生成,'' 電子情報通信学会技術研究報告, vol.116, no.488, LOIS2016-­68, pp.35-40, March 2017.


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Last-modified: 2017-03-27 (月) 15:19:54 (664d)