エンドユーザのためのセンサ駆動サービス構築支援環境

背景

近年,プロセッサ,ストレージやネットワーク技術の普及に伴い,家庭内のネット家電をもとに多様なサービスを提供するホームネットワークシステム(HNS)の開発が進みつつあります.HNSでは,ホームネットワークに接続された各種ネット家電がその機能を利用するためのAPIを公開しており,それらのAPIを組み合わせることで新たな付加価値を生み出すことができます.  その中でも特に注目されているのがセンサと家電を組み合わせて実現されるセンサ駆動サービスです.一般にセンサ駆動サービスは,利用するセンサとセンサによって検知される環境プロパティに関するコンテキスト条件,その条件が満たされたときに駆動される振る舞いから構成されています.現在提供されているセンサ駆動サービスの多くは,利用されるセンサと機器の組み合わせやコンテキスト条件が固定されています.そのため,ユーザーを取り巻く家電構成や部屋の状況の変化に即してセンサ駆動サービスの内容を変更することは困難でした.  そこで個々のセンサをサービスとして独立させ,任意のコンテキスト条件や振る舞いを開発者がその都度登録可能なセンササービス基盤を開発しました.センササービスを利用することで,センサやコンテキスト条件,駆動される振る舞いそれぞれを変更することが可能になり,センサ駆動サービスを容易に構築することが可能になりました.

エンドユーザによるセンサ駆動サービス構築の問題点

センササービスを利用することで,非常に容易にセンサ駆動サービスを開発できるようになりました.しかし,HNSを利用する一般的なエンドユーザーにとっては,ユーザーの意図する条件式を考え,駆動される振る舞いとして家電APIを指定しなければならないセンサ駆動サービス構築は,依然として困難であるといえます.

提案手法

そこで本研究では,エンドユーザーでも簡単にセンサ駆動サービスの構築が行えるように,センサ駆動サービス構築支援GUI「Sensor Service Binder」を開発しました.「Sensor Service Binder」を利用したセンサ駆動サービス構築は以下の3つのPhaseにわけて行います.

Phase1:コンテキスト条件登録
Phase1では,センササービスの選択とコンテキスト条件の登録を行います.登録される条件はこれまでと同様にセンササービスが検知可能な環境プロパティの条件式として記述します.このとき,登録された条件式が意図する状態を平易なキーワードを用いて同時に登録します.

Phase2:家電API登録
Phase2では,センサがコンテキスト条件を感知したときに呼び出す家電API候補の登録を行います.ここでもPhase1と同様に,登録する家電APIが何を行うものなのかを表すキーワードを入力します.

これらPhase1, 2は今までと同様に,センササービスおよび家電APIに関する専門知識を持ったユーザーが行います.

Phase3:コンテキスト条件-家電API関連づけ Phase1, 2が事前に行っていれば,そこで登録されたコンテキスト条件や家電APIの関連づけを行います.このとき,登録されたコンテキスト条件と家電APIはそれぞれ,平易なキーワードで説明されています.エンドユーザーはそれらのキーワードをみて,自分の構築したいセンサ駆動サービスを簡単に作ることができます.

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発表文献

松尾 周平, 井垣 宏, 中村 匡秀, ``エンドユーザーによるセンサー駆動サービスの構築支援環境の提案,'' 電子情報通信学会 OIS研究会, vol.OIS2008, no.82, pp.043-048, March 2009.


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Last-modified: 2009-04-30 (木) 11:44:27 (3552d)