Research/SmartCity

すれちがいフレームワークのためのBLEを用いた近接検知機構の実装と評価

昨今のモバイル端末向けアプリケーションにおけるすれちがいについて

近年,スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末が世界中で急速に普及し,生活の価値向上やエンターテイメントなど様々な目的のモバイル端末向けアプリケーションが提供されています. 最近では,モバイル端末が備えているBluetoothやWi-Fi,GPSなどのデバイスを利用した,端末同士の近接やビーコンなどへの接近をきっかけとし新たな付加価値サービスを提供する,モバイル端末という特性を活かしたアプリケーションの利活用が進められています.本稿では近接検知機構により検出されるような,対象同士が一定時間内に一定距離以内へ接近する事象をすれちがいと呼び,すれちがいを利用する任意のシステムをすれちがいシステムとします.すれちがいシステムの利用例として,東京国立博物館では作品に近づくと自動的に解説が表示される「トーハクなび」が提供されています.任天堂株式会社が開発・販売しているニンテンドーDSシリーズのすれちがい通信では,現実世界でのすれちがいをゲーム内での価値に変換することができます.

すれちがいフレームワーク

すれちがいシステムによる新しい価値の創出が期待される一方で,すれちがいシステムは,すれちがい検知のふるまいやすれちがいデータの表現方法,データの管理方法が技術や実装方法に強く依存するために,アプリケーション開発者の負担が大きく,結果的に開発コストが増加します.また,異なる通信技術を用いるすれちがいシステム間には互換性が無く,実装の再利用性が低いといった問題があります.そこで,先行研究ではアプリケーション開発者を支援するためのフレームワークであるすれちがいフレームワークを提案しています.すれちがいフレームワークでは,端末や技術に依存する近接検知と,アプリケーションが利用するすれちがいデータの管理を分離し抽象化することで,開発コストを軽減することができます.また,近接検知の技術に依存せずすれちがいデータを扱うことができるため,異なる近接検知の技術を利用した端末同士のすれちがいを実現することも可能となります.

実装に向けた課題

これまでのすれちがいフレームワークに対する研究では,主にデータ管理を対象としておりました.しかし,すれちがいシステムの実現には,近接検知機構も実装しなくてはなりません.近接検知における端末の挙動は,通信頻度や通信距離など,技術や実行環境によって異なるあらゆるパラメータに依存しており,パラメータの設定を変えることですれちがい検知の精度や端末の消費電流などが変化する可能性があります.ユーザのニーズを満たすすれちがいシステムを実現するために適切なパラメータをアプリケーション開発者が設定しなくてはなりませんが,開発者が各々で適切なパラメータを調べるのは開発コストが増大する要因となります.様々な近接検知機構に対応することを目標としているすれちがいフレームワークとしては,すれちがいフレームワークを開発者が利用する際に,あらゆる技術や実行環境におけるパラメータ決定の参考にできるデータを提示することにより,すれちがいフレームワークの研究の目的である開発コストの軽減をより大きく達成することができます.そこで,本研究では,近接検知機構によるすれちがいについて,近接検知の技術として近年普及してきているBluetooth Low Energy(以下,BLEと表記する)を対象とし,技術依存のパラメータ設定とすれちがい検知のふるまいの相関関係について考察します.そのために,実際にすれちがいを実現するためのアプリケーションを開発し,パラメータと消費電流の相関関係,端末間の距離による受信電波強度の変化,移動速度によるすれちがい検知の精度と頻度への影響を調べるための評価実験を行い,実験データを分析し考察します.

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Last-modified: 2016-05-23 (月) 10:33:47 (972d)