近年,人間の日常生活における行動をデジタルデータとして記録するライフログサービスが注目を集め,様々なライフログサービスが公開・提供されています. これらライフログを,集約・連携(マッシュアップと呼ぶ)することで,より付加価値の高い情報サービスへと発展させることが期待でき,我々は先行研究において,ライフログのための標準データモデルを提案しています.また最新の成果では,様々なライフログを標準データモデルへ変換し,それらを検索・取得するための汎用的なAPI(マッシュアップAPIと呼ぶ)を設計・実装しています.これにより,多種多様なライフログのデータを,プログラムから統一的な方法で横断的にアクセスすることが可能となります.
本研究では,マッシュアップAPIを用いて実際のマッシュアップアプリケーションを構築し,その効果を評価することを目的とします. 具体的には,Twitter,Flickr および GARMIN Connectの3つの異なるライフログをマッシュアップし,LifeLogMapsというサービスを開発します. 開発においては,各ライフログサービスが個別に公開している固有APIを用いる場合と,提案するマッシュアップAPIを用いる場合の2通りで開発し,両者の比較・評価を行います.
LifeLogMapsは,Twitter,Flickr および GARMIN Connectの3つの異なるライフログサービスからそれぞれのログデータを取得し,ウォーキング中に記録したつぶやき(Twitter),写真(Flickr),歩いたコース(GARMINConnect)を時系列で集約,Google Maps上にオーバーレイして可視化するアプリケーションです(下図).
従来型の開発方式とマッシュアップAPIを用いた開発方式を,開発効率と実行効率の観点から比較し,評価を行いました.