PukiWiki/1.4/Manual/Plugin/A-D 特定の位置に人やモノが居るかどうかを判断するプレゼン スセンシングは,機器の自動制御やスマートサービスに幅広 く応用される技術である.自動ドアや自動照明をはじめとし て,家電の節電制御[1] や,オフィスにおける機器や空調の効 率運転[2],ビルの廊下の照明制御[3] など様々な局面で利用さ れている.我々の研究グループではホームネットワークシステ ム(Home Network System,HNS)[4] の研究を続けてお り,一般住宅内のHNS に適したプレゼンスセンシング手法に ついて検討を行っている. 屋内におけるプレゼンスセンシングのソリューションとして, 様々なセンサを用いたシステムが提案されている.例えば,赤 外線センサを用いるもの[5] や磁気センサを用いるもの[6],圧 力センサ[7],超音波センサ[8],無線LAN[9],シート型セン サ[10] などが存在する.(調べて追記すること). しかしながら従来のシステムは,プレゼンスセンサが1 つの 機器やサービス内で閉じていたり,高価なデバイスや大掛かり なインフラを必要としたりするため,一般住宅内のHNS に導 入するには敷居が高い.さらに,プレゼンスの検知位置を後か ら動的に追加・削除したり,複数のHNS のプレゼンスを連携 したスマートシティサービスのようなものは想定していない. そこで本論文では,比較的安価な赤外線センサを複数連携 して,HNS 内の様々な場所における人のプレゼンスを取得・ 提供する枠組みプレゼンスセンサ・サービスフレームワーク (Presence Sensor Service Framework,PSS フレーム ワーク) を提案する. PSS フレームワークは,物理的なセンサデバイスであるプレ ゼンスセンサ・デバイス(Presence Sensor Device, PSD) と,PSD を束ねるプレゼンスセンサ・ターミナル(Presence Sensor Terminal, PST) ,さらに,センサデータを集約して プレゼンスを管理するプレゼンスセンサ・アグリゲータ(Pres- ence Sensor Aggregator, PSA) から構成される.PST は 接続されたPSD の値を監視し,値の変化がある閾値を超えた 際にPSA に通知する.PSA はPST からセンサ値変化の通知 を受け取ると,当該PSD のID とその値,通知時刻を記録す る.PSA はそれぞれのPSD の周辺に人がいるかどうかを,最 終通知時刻から推定・計算するアルゴリズムを実装しており,こ れをWeb サービス(プレゼンスセンサ・サービス(Presence Sensor Service, PSS) と呼ぶ) として公開する. これによって,様々なHNS サービス,アプリケーションは, PSS を介して宅内のプレゼンス情報を取得・利用できるように なる.PSS フレームワークでは,PST およびPSD を必要に応 じて追加・削除することで,プレゼンスの検知位置を動的に構 成することができる.また,PSA をカスケードしてクラウド上 に置くことで,複数のHNS におけるプレゼンス情報を連携し たスマートシティサービスを実現することも可能である. また本論文では,PSS フレームワークのプロトタイプを作成 した.PST はPhidgets 社の赤外線センサおよびインターフェー スキットを利用して実装した.PSA はJava で実装し,PSS を Apache Axis2 Web サービスとしてデプロイした.HNS 側の アプリケーションとして,Google Chart API を用いた簡単な 可視化アプリケーション作成し,開発したシステムが正常に動 作していることを確認した.


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