研究紹介ページ

家電連携サービスのユーザビリティ評価

ホームネットワークシステム

近年,家庭内の家電機器やセンサをネットワークに接続する 基盤技術が注目を集めており,より便利で快適なサービスを ユーザに提供するホームネットワークシステム(HNS)の研究・ 開発が盛んになってきています.

家電機器連携サービス

HNS アプリケーショ ンの1 つとして,複数の家電機器を連携動作させ,ユーザの日 常生活の利便性・快適性を向上するための家電連携サービスが 提供されています.例えば,TV,DVD プレイヤ,5.1ch サラウンド,照明, カーテンを連携することで,映画館の雰囲気でDVD の視聴が 楽しめるDVD シアターサービスを実現することができます.
先行研究において我々は,一般家庭における従来のHNS 非 対応の家電機器(従来家電と呼ぶ)をHNS 対応の製品へ刷新 することが容易でないことに着目し,従来家電をHNS に適応 させる技術を提案しています.具体的には,赤外線リモコンで操 作可能な従来家電を対象に,学習リモコンのAPI をWeb サー ビスでラップし,マルチベンダな従来家電を連携します.さらに, 公開されたWeb サービスを組み合わせて空気清浄サービス, DVD シアターサービス,お出掛けサービス等のHNS 連携サー ビスの実装を行ってきました.

家電連携サービスにおけるユーザビリティ評価

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しかしながら,連携サービスにおける評価はサービス応答速 度やサービスの結合度といったシステム面からの評価しか行わ れておらず[5],ユーザにとっての使いやすさ(ユーザビリティ) の評価はこれまでに行われていません.したがって,提案する連 携サービスがどの程度ユーザにとって使いやすく,便利でわか りやすいものとなっているのかは明らかになっていないません.さら に,今後,新たな連携サービスを開発するにあたっても,ユー ザにとって連携サービスにはどのようなメリットがあり,どの ような問題点があるのかを明らかにする必要があります.

ユーザビリティ評価方法

本研究の目的は,HNS における家電連携サービスが,ユー ザにとっていかに有用であるかを明らかにすることです.こ の目的達成のために,家電連携サービスのユーザビリティテス ティングを行い,被験者が実際に連携サービスを操作する際の 定量的なデータを収集することを行います.また,アンケート実施 して,サービスに対する満足度と意見の抽出をします.次に収 集したデータに基づき,家電連携サービスを操作効率とユーザ の満足度の観点から評価しました.

ユーザビリティ評価結果

その結果,被験者全員が連携サービスのタスクを完了するこ とができました.また,連携サービスの方が,平均操作時間におい ては最大で1/2 倍以下,平均エラー操作数においては1/10 以 下という結果が得られました.サービスの満足度に関しては,すべ てのタスクにおいて,連携サービスの方が従来の家電操作より も平均1.5 倍以上高い満足度評価が得られました.さらに,抽出さ れた意見から,今後の新サービスの開発に有用な改善点が発見 されました.

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関連研究発表

湯浅直弘, 伊原誠人, 中村匡秀, 松本健一, ``ホームネットワークにおける家電連携サービスのユーザビリティ評価,'' 電子情報通信学会技術研究報告, Vol.106, No.578, pp.399-404, March 2007. PDF


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