報告者:前田 2019-11-08
2019年11月4~6日にネパール・カトマンズで行われたICMU2019(The 12th International Conference on Mobile Computing and Ubiquitous Networking)に中村先生と参加しました.
ICMUは情報処理学会IPSJのMBL研究会(モバイルコンピューティングとパーベイシブシステム研究会)が主催する国際会議で,中村研からは初めての投稿でした.
参加の経緯としては,私の研究内容がMBLやICMUの掲げる研究分野に適合していたこと,そして会議の場所がネパールという物珍しい国で,一度行ってみたいという中村先生の熱い希望があったことです.
ネパールは中国とインドの間に位置しており,世界最高地点エベレストを含むヒマラヤ山脈に囲まれています.
関空-カトマンズ間の直行便があるものの週二回しか運航しておらず日程に合わなかったので,中国の広州経由で行ってきました.
私は2日目にHealthcareというセッションの中で,「Recording Daily Health Status with Chatbot on Mobile Phone - A Preliminary Study -」というタイトルで発表を行いました.
今回の会議は幾つかの部屋で並行してセッションが行われるのではなく,1つの大きな部屋で1つのセッションが進行する形の会議でした.
スライドの準備や発表練習は入念に行っていましたが,やはり質疑でつまずいてしまったのが反省です.それでもセッションが終わってからも何人かの方が質問に来ていただき,有意義なディスカッションができたと思います.
トータルで見れば個人的には全く満足のいくものではなかったので,来月の発表でリベンジしたいと思います.
ICMUは日本と海外で交互に開催されているらしく,次回2020年はオリンピック後の東京・機械振興会館で10月28~30日に行われるそうです.
ネパール料理はダル(daal=豆スープ)とバート(bhaat=米飯)を組み合わせたダルバートというスタイルが伝統的らしいです.
momoという餃子に似たものも有名です.これは皿の中央に置かれたカレー味のソースに付けて食べるのですが,日本人的には醤油に付けて食べる方がおいしいと感じました.
馴染みのないものばかりでしたが,口に合わないものはなかったです.
食材を含め物価は安いのですが,アルコール類は現地の人はほとんど飲まないらしくお酒だけは高かったです.
ジャンマラクルサーニ(ジャン:体,マラ:殺す,クルサーニ:唐辛子)という唐辛子には気を付けましょう(戒め).
ホテルからタクシーに乗り込むと運転手から1日チャーターしないかと提案され,値段交渉の結果これを了承.
カトマンズは交通インフラが劣悪で,信号が無いくせに車やバイクの数が多く,道も舗装されていない場所が少なくありませんでした.
タクシーの運転手のお爺さんは御年70歳とのことでしたが,年齢を感じさせない豪快なドライビングで渋滞を難なく突破.
道中英語で色々説明してくれたのですが,ものすごい訛りで私はなんとなくしか聞き取れなかったです...
そんなこんなでネパールの有名な寺院を巡りました.
スワヤンブナート,ボダナート,パタン地区,バクタプール地区
個人的に興味深かったのがパシュパティナート寺院です.
破壊神シヴァを祭るネパール最大のヒンドゥー教寺院で,院内には火葬場があります.
遺体を木や藁と一緒に3時間ほどかけて燃やした後,残った灰を隣接する川に捨てるそうです.
無常ですね.
ガイドのおじさんは「人はいつか終わるんだから,今を楽しまないと」的なことを言っていました.いいこと言うなあ.
我々は時間が合わず行けなかったのですが,他の大学の先生方は(自分たちの学生は置き去りにして)エベレストを望むフライトツアーなどに参加していたようです.
エベレストを見れなかったのは唯一の心残りなので,次に行く機会があれば見てみたいです.
ネパールに行く前はビビっていましたが,結論としては人は優しく親切で,食べ物もおいしく,素晴らしい文化や歴史があり,行ってよかった,頑張って論文書いてよかったと思います.
とはいえ何が起こるか全く想像がつかず,初めて海外に発表に行った時のようなワクワク感を思い出しました.
ありがたいことに私はB4で研究室に配属されてから今までの約3年間で5回も海外で発表する機会をいただき,日本では到底できないような経験を沢山させてもらいました.
来月の発表が最後の国際会議になると思うので,集大成として納得のいく発表をするために頑張りたいと思います.
最後になりましたが,論文の修正から出張のアテンドまで大変お世話になった中村先生,発表練習に付き合ってもらった研究室の皆さん,ありがとうございました!