ホームネットワークシステムにおける機器状態ログからのエネルギー浪費行動の検出

背景

家庭におけるエネルギーの増加が著しく,家庭における省エネが叫ばれている.
省エネに対する取り組みは多種多様であるが,家庭におけるエネルギー浪費行動の削減することが重要であると考えられる.

ホームネットワークシステム(HNS)と呼ばれる、家電機器やセンサをネットワークに接続したシステムが存在する.
HNSは複数の家電を同時に制御することが可能で,状態取得APIを実行することで各機器の状態を把握することも可能である.

我々は以下図のような実験環境にてHNSを構築しており、 HNSを浪費行動の削減手法として,利用することを目的として研究を行う.

HNS.png
図1:HNS実験環境

従来サービスの限界

従来サービスでは電力消費量をグラフなどで可視化を行っている.
例えば,図2のようなGoogle Power Meterがある.
Google Power Meterは電力計に取り付けて消費電力をWebで確認できるデバイスである.

googlePM.png
図2:Google Power Meter

しかし,グラフの解釈はユーザ自身にゆだねられる為に,浪費行動となる箇所を発見することが困難であるだけでなく,ユーザの省エネ意識の高さにも左右される.

提案手法

  • Step1.エネルギー浪費行動をユーザが浪費行動定義ルールに基づいて作成する.
  • Step2.HNSから機器状態ログを取得し,DBに蓄積する.
  • Step3.機器状態ログDBを解析し,浪費行動定義ルールに合致するログを検出する.
flow.JPG
図3:提案システムの枠組み

評価実験と結果

HNSにて5日間生活を行い浪費行動を検出する.
エネルギー浪費行動を24種類作成した.
18件の浪費行動を検出することができた.

図4は検出された浪費行動の1つでユーザ不在時の機器の使用を表している.

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図4:実験結果(ユーザ不在時の機器の使用)

発表文献

北岡賢人, 瀬戸英晴, まつ本真佑, 中村匡秀. ホームネットワークシステムにおける機器状態ログからのエネルギー浪費行動の検出. 電子情報通信学会技術研究報告, Vol.110, No.450, PP.37-42, 電子情報通信学会, March 3-4, 2011


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Last-modified: 2024-02-14 (水) 11:29:47